今回は、高齢者介護事業を行っている社会福祉法人八生会 様の40周年の記念式典用パラパラ漫画を株式会社アプライズ 様と共に制作させていただいたので、記事にまとめました。今まで60件ほどパラパラ漫画を制作してきましたが、その中でも今後最も記憶に残る作品の1つになると思うので、記事にまとめました。

私は約4年間、パラパラ漫画の制作活動を行っています。その中で「高齢者介護」に関するテーマは多く、人の「心」や「繋がり」と言った形の無いものを描く手法としてパラパラ漫画は非常に相性が良いです。今作でも主人公(高齢者)と施設スタッフさんのやり取りが主に描かれていますが、パラパラ漫画の特性を生かして、上手く表現できたと思います。

当然のことながらパラパラ漫画を作る前に、ストーリーが必要となります。良い作品になるかどうかは、このストーリーの内容にかかっているとも言えます。普段の制作では、ストーリー構成も大部分を制作側にお任せするというケースも多いのですが、本件は関わっている皆さんが時間をかけてアイデアを出し合ったので、より練度の高いストーリーとなりました。私が本作に登場する社員証ケースに関するストーリー案を提案した際は、快く採用していただき、モチベーションの高い状態で制作へ入ることができました。

普段の制作の大半が一般ユーザーに向けたパラパラ漫画を作っている私ですが、今作は従業員の方々へ見ていただく映像となるので、その辺りを意識しながら進めていく工程も、とても新鮮でした。「きっとこういう想いや信念を抱きながら、日々働かれているのだろう」というイメージをしながら制作しました。

パラパラ漫画の原稿

今回は「紙に一枚一枚描くアナログ手法」が採用されたので、時間をかけて丁寧に描いていきました。最終的に原稿は600枚規模となり、過去の作品を振り返っても、かなりの力作となりました。描いた後の原稿の高さを見ると、自分の頑張りが目に見えるので、こういう部分もアナログならではの良さなのかもしれません。

本作が式典にて無事に披露され、主催の方から「感動した、泣けた」などのたくさんのお褒めのお言葉をいただき、「心に響く作品づくりができて良かった」とあらためて感じました。何百枚と絵を描くのは大変ですが、お客様からの言葉をいただくと、これまでの疲れが一気に吹っ飛びます。

共に作り上げるイラスト

今回はお客様の満足度が非常に高いものとなり、本作は大成功となりました。あらためて「良いパラパラ漫画作品はどのようにしたら生まれるのか?」について振り返ってみると、「共に作り上げる」という姿勢が依頼者と制作者にあることが重要だと感じました。制作者側は作品を作り上げる技術、見映えを良くする方法は知っていますが、個々の企業の歴史や現場の様子を知っているわけではありません。依頼者から込めたいメッセージ、細かいニュアンスを積極的に伝えていただくことで、厚みのあるストーリー性を持ったパラパラ漫画が仕上がります。今回の制作を通じて学んだことは、今後の創作活動にも大いに生きてくるとは間違いないと思いました。

パラパラ漫画は「過去に起きたストーリー」や「情熱、繋がり、心」など、形を持たないものを表現する方法として優れたアニメーションです。周年記念などのイベントで心に響く演出を行いたいときは、是非パラパラ漫画制作をご検討下さい。