パラパラ漫画による採用動画

今回の記事のテーマは「パラパラ漫画による採用動画制作」についてです。採用活動は、企業の大きな取組みの一つであり、より良い人材を確保したいという思いはどの企業も同じだと思います。動画を使用した採用活動は多くみられるので、他社との差別化が難しいのが実情ですが、その中でお勧めしたいのが「パラパラ漫画」による動画戦略です。

今年度に入って、パラパラ漫画で採用PR動画をいくつか制作する機会があったので、パラパラ漫画で採用動画を作るメリットと、制作する上で心掛けているポイントについて記していこうと思います。

私が直近に制作したサンプル動画を掲載しました。動画のテーマは「訪問リハビリ職の採用動画(一人一人の生活に寄り添う働き方)」となっております。動画の尺は全体で約3分15秒、全編フルカラーのパラパラ漫画です。心温まるストーリーで、登場人物のセリフも多く、より感情を投影しやすい仕上がりになりました。

ビジネスでアニメーションが使われる理由

理由の1つには、人は動くものを目で追うという習性があるのと同時に自分から情報を収集しようとする働きがあるからとされています。実写に比べて動きのバリエーションが多く、情報量が限定されているアニメーションは、人が飽きることなく長時間眺める映像としては、適したものといえるのではないでしょうか。

2つ目の理由は、続きが気になってしまう心理です。ソビエト連邦の心理学者ブルーマ・ツァイガルニクによる「人は目標に向かっている時は緊張感が生まれるが、目標が達成されると緊張感は解消する」という仮説をもとに、1931年に心理実験が行われ、「達成できなかった事や中断した事柄に対して、強い記憶や印象を持つ」心理現象が実証されました。この心理現象はツァイガルニク効果と呼ばれるようになりました。アニメーションのようなストーリーを伴う映像を見ていると、「最後まで観て、結末がどうなるか知りたいという目標を達成したい」心理が働き、結果として視聴中の離脱率が低くなる傾向があるとされています。

3つのメリット

今まで私が制作に携わってきたジャンルは様々ですが、その中でも採用動画は比較的多い分野となっています。パラパラ漫画で採用動画を作ることのメリットとして、以下の3つのがあります。

①求職者と雇用側のミスマッチ防止の効果。
②撮影やキャストが不要な為、コストが抑えられる。
③動画の最後まで視聴者が離脱しにくい。

パラパラ漫画の3つのメリット

ここからは、それぞれのメリットについて詳しく述べていきます。

【①:求職者と雇用側のミスマッチ防止】
就職活動をする上で、求職者が最も気になることは「実際に働いたらどうなるか」という部分であると思います。人にとって、分からない状態は大きな不安をもたらすので、職場にはどのような人がいて、どういう流れで仕事を進めるか、といった情報がアニメーションではスムーズに伝えられます。社会人であれば、1日のうち、最も長く過ごす場所が職場であり、ストレスの少ない時間を過ごしたいと考える現代の傾向からしても、職場のイメージが明確なほど、求職者と雇用側のミスマッチが減り、双方にプラスをもたらします。

【②:コストが抑えられる】
パラパラ漫画をはじめとするアニメーションでは、感情や心といった形の無いものを表現できることも、大きな理由の1つです。例えば実写で、実際の職場で働くことを想定した動画を作ると、無機質で感情に乏しい仕上がりになりがちで、説明動画のようになってしまうことも珍しくありません。その点、アニメーションではキャラクターの表情や背景演出等で、上手く伝えることが可能で、撮影スタッフやキャスト(社員さん)を用意せずに済むので、映像制作にかかるコストと労力を低く抑えらます。

【③:動画の最後まで視聴者が離脱しにくい】
これは採用動画に限定した話ではありませんが、パラパラ漫画をはじめとするアニメーション動画は視聴中の離脱率が低いことが知られています。せっかく制作費をかけて作ったのに、動画を最後まで観てもらえないと採用のPR効果があまり出ないですし、何より真剣に作ったのに途中でとばされたりしたら悲しいですよね…。しかし、パラパラ漫画では早期離脱問題に強い動画であるため、込めたメッセージを効果的に届けられるのが大きなメリットと言えます。

採用動画を作る際に気を付けているポイント

1つ目のポイントは「作品に込めるメッセージは1つに絞る」ことです。パラパラ漫画で描写できることは自分が頭の中でイメージするよりも、かなり少ないので、複数のメッセージを込めようとすると、まとまりがないアニメーションになってしまいます。視聴者に、より効果的にPRする為に、伝えたいメッセージは1つに厳選し、的確に表現することを心掛けています。

メッセージは1つに絞る

2つ目のポイントは「ターゲットを絞る」ことです。求職者と一言でいっても、そこに含まれる求職者のパターンは様々です。未経験の方を中心にアプローチしたいのか、転職を考えている中途採用を進めたいのか、あるいは前職で同じ分野での実務経験を有している求職者なのか、など採用側にも必ず狙いがあるはずなので、その狙いに最も効果がありそう場なターゲットを検討し、動画の軸としていきます。ターゲットの軸に沿ってキャラクターやストーリーを構成していくので非常に重要なポイントとなります。

3つ目のポイントは「良い面だけでなく、つらい面も描く」ことです。つらい面を描くと視聴者が敬遠しそう、という意見も理解できます。しかし「雇用した求職者が長く働いてくれること」が採用をする上で最も重要なことだと思うので、双方のミスマッチを少しでも減らすため、私自身このような提案をしています。また、このように提案する理由として、もう一つ挙げられるのが「良い情報だけの動画」は見映えは良いですが、視聴者側に不信感を抱かせてしまう可能性があるからです。情報化社会が一層進んだ現代では、あらゆる情報が簡単に手に入るので、ある事柄の一面だけ(良い面)を描くのではなく、職場で起こりうる、つらい面も同時に描写することが、視聴者(求職者)の信頼を得る大きなポイントとなります。

良いことと悪いことを描く

私はパラパラ漫画制作を始めて35件ほど動画をつくってきた経験から、つらい面を視聴者が敬遠しないよう描くことができるので、安心してご相談いただければと思います。

採用動画のパラパラ漫画制作を検討している方へ

私は上記に記載したようなことを考えながら、採用PRのパラパラ漫画制作を行っています。今後も採用関連のパラパラ漫画実績は増えていく予定なので、実績等随時更新していきます。ビジネス動画でよく見かけるVyond.VideoScribe等に比べてパラパラ漫画はかなり特殊なアニメーションなので、制作を依頼する担当者の方からすると、何から考えれば分からない、と困る場合があると思います。不明点がある場合はお気軽にお問合せ下さい。またパラパラ漫画についての情報を充実させるべく継続的に更新していきますので、お手すきの際にご覧下さい。